あ、言われてみれば
もう終わりですか?
一応解説してください
私は地方のドラッグストアで社内の登録販売者試験受験者の教育担当をしています。
登録販売者試験の3章で漢方薬はどの受験者も苦手とするところです。
中には漢方薬を完全に捨て問題として受験する人もいるぐらいです。
ですが年々登録販売者試験での漢方薬の出題数は確実に増えてきています。
その中でも確実に点が取りやすい項目の一つ「泌尿器」について解説します。
と言うより、ノリでイラストを作ったら案外好評だったのでここで公開しようと思っただけです(笑)
では、しばしお付き合いを。
泌尿器の問題がねらい目な理由
泌尿器の問題は点数が取りやすいのですか?
私はそう考えます。
登録販売者試験の出題範囲は、厚生労働省のサイトで公開されている「試験問題作成に関する手引き」から出題されます。
泌尿器の問題は、その中の「排泄に関わる部位に作用する薬」と言う項目になります。
この項目では主に「痔」の薬に関して記述されていて、その次に「その他泌尿器用薬」として
記述されています。
「その他」ですか?
メインでは無いのですね。
はい、登録販売者試験の3章で40問出題されるうち、排泄に関する薬はだいたい1~2問出題されるます。
メインは痔の薬なので、痔の薬が2問出題される場合もあれば、痔・泌尿器の薬が1問ずつの出題の場合もあります。
年度によっては、痔の薬が1問だけで泌尿器の問題が出題されない場合もあります。
それだと、痔の薬を勉強しておいた方が良いのでは?
もちろん、痔の薬もしっかり勉強します。
ですが、泌尿器の薬は手引の中での掲載量は非常に少なく正味2ページ程度です。
この2ページの出るか出ないかわからない項目で、生薬7種・漢方5種をじっくり勉強するのは大変です。
かといって捨て問題としてしまうには、範囲が狭く出題傾向も限られるのでもったいない気がします。
そこで、泌尿器の薬をイラスト1枚にまとめて、チャチャっと確実に1点取ってしまおうというのが今回の趣旨です。
泌尿器イラスト解説
では、イラストになっている漢方・生薬を説明していきます。
イラストでは私の作った漢方一覧と同じように体力のある順に上から並んでいます
また、それぞれの名前についている色も、同じ一覧で使われている体力カラーチャートの色になっています。
竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)
竜の絵が一番上ですね
前出のように体力がある順に上から並んでいます。
泌尿器の漢方薬で体力は「中程度以上」なのは、この竜胆瀉肝湯のみになります。
ですから、試験出題された場合「体力中程度以上で・・・」とあった場合は、問答無用で竜胆瀉肝湯になるはずです。
実際の試験ではこの部分だけで判断できるのですが、体力以外の特徴も少し説明しますと「下腹部に熱感や痛み」一番の特徴は「尿の濁り、こしけ(おりもの)」の部分になります。
このように、竜胆瀉肝湯は比較的カンタンに見分けられると思います。
泌尿器は「体力中程度以下」が大切
ここから下、イラストは同じ色で名前が書いてありますね?
その通りで、この3種は色が同じなので、服用する方の体力も近いものになるります。
ですから体力以外の細かな体の特徴を見極めなくてはなりません、ここがみなさんが漢方薬を苦手とする部分だと思います。
つまり、泌尿器の漢方薬を正答するにはこの3種の区別がつくかどうかにかかってきます。
牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
牛車のイラストですか?よくフリー素材でありましたね(笑)
全くです(笑)
牛車腎気丸は「体力中程度以下」これだけでは他の薬と区別が付きませんね。
牛車腎気丸の特徴はズバリ「四肢が冷えやすく」です。
とくに「四肢が冷えやすく」はこの後の六味丸との見分けるポイントになりますので、よく覚えてださい。
また「のぼせが強く赤ら顔で体力の充実している人では、胃部不快感、腹痛、のぼせ、動悸き 等の副作用が現れやすい等、不向き」の部分も出題されたことがあります。
八味地黄丸(はちみじおうがん)
ついに最強のパワーワードが来ますね
八味地黄丸も「体力中程度以下」です、さらに特徴の部分に「四肢が冷えやすく」もあるため牛車腎気丸と区別がつきにくいです。
八味地黄丸の最大の特徴は「尿漏れ」です。
ツイッターのフォロワーさんに教えてもらった覚え方が最強すぎるので紹介します。
「ハチミツおじさん尿もれ中」です。
「ハチミツ=八味」「おじさん=中高年の男性が使うことが多い薬」「尿漏れ中=尿漏れ」の特徴を抜き出した語呂合わせです。
もしドラックストアの店頭で、ハチミツを持ってオシ○コを漏らしながら来店されたおじさんがいた場合、慌てず八味地黄丸をオススメしてください(笑)
お巡りさん、この人です
六味丸(ろくみがん)
六味地黄丸も 「体力中程度以下」 となります、特徴は「手足のほてり」です。
前出の牛車腎気丸が「四肢の冷え」であったことと逆のイメージだと思って見分けてください。
猪苓湯(ちょれいとう)
イノシシで紫のイメージですね
猪苓湯は泌尿器の漢方薬で唯一「体力に関わらず」なのでとても見分けやすいと思います。
私の見たところ猪苓湯が泌尿器の漢方薬では最頻出ではないでしょうか。
もう一つ特徴を上げるなら「排尿痛」になります。
泌尿器の生薬
泌尿器は生薬もありますね
では泌尿器の生薬ですが。
最頻出は「ウワウルシ」になります、ウワウルシの「利尿の他・殺菌」の部分がよく出題されます。
また、ウワウルシの基原は「ツツジ科のクマコケモモ」になります、これもよく出題されるのでイラストの「クマがコケた桃」をイメージしてはどうでしょうか?
どうしても生薬まで覚えられないという人は、このウワウルシだけでも覚えてください。
ウワウルシ以外の生薬は主に利尿目的で使用されます。
カゴソウの基原はシソ科のウツボグサの花穂ですが、覚え方としては「カゴは壺」で覚えます。
キササゲが基原はノウゼンカズラ科のキササゲです、基原も同じ名前なので「キササゲはキササゲ」で覚えやすいです。
サンキライの基原はノウゼンカズラ科のケナシサルトリイバラです、「猿は毛を取るイバラが嫌い」です。
ソウハクヒの基原はクワ科のマグワ、覚え方は「クワで襲われ顔面蒼白」です。
モクツウの原基はアケビ科のアケビまたはミツバアケビです、覚え方は「木2はあけ日」です。
ブクリョウの基原はサルノコシカケ科のマツホド、これの皮をほとんど削ぎ落とした菌核という形で使います。覚え方は「猿は腰かけて待つほどブクブク」で覚えましょう。
過去問練習
一通りイラストの内容を解説しました、腕試しに過去問を解いてみましょう。
平成29年からの全国の過去問で泌尿器に関する問題をすべて出したものです。(私の見逃しがない限り)
初めはイラストを見ながらで良いです、イラストだけでは足りないことがあればドンドン書き込みましょう。
1度解いたら1週間ほど日にちを開けても一度解いてみましょう。
同じような問題が何度も出るのですね。
まとめ
最後にまとめます
・泌尿器は点数が取りやすいです。
・漢方薬は体力ごとに覚えましょう。
・体力が同じものは特徴で覚えましょう。
・生薬はウワウルシを覚えます。
・生薬は余裕があれば自分なりの語呂合わせを考えるましょう。
・登録販売者試験は同じような問題が何度も出ます、過去問こそ正義です。
以上