登録販売者試験を受験しようと考えている皆さんは、自分が受験する予定の都道府県のこれまでの合格率が気になると思います。
この記事はこれまでの登録販売者試験の結果を、全国と各都道府県ごとの合格率をまとめたものです。
私は2016年から地方のドラックストアで、社内の登録販売者試験の指導講師をしています。
私は全国の登録販売者試験の合格率について常に最新の情報を資料としてまとめています。
この記事ではその資料を受験者の皆さんと共有したいと思います。
この記事では合格率の一覧と一緒にその年に実施された試験問題を過去リンクとして一緒にまとめています。
- 合格率が低かった年の過去問=難易度高い試験問題
- 合格率が高かった年の過去問=難易度が低い試験問題
合格率によって難易度を調整しながら、自分の実力にあわせた勉強に役立ちます。
勉強を指導している私達は、実力に合わせた難易度の過去問を解くことが、合格への近道だと考えています。
できれば登録販売者試験を受験する前には、自分が受験する場所の前年度の過去問をA4用紙に印刷し、時間を測りながら本番の模擬練習を行う事をおすすめします。
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登録販売者試験の合格率は40~50%
2023年度登録販売者試験の全国平均合格率は43.7%でした。
登録販売者試験の全国平均合格率は、年によって多少の変動はありますが、概ね40〜50%の範囲内で推移しています。直近の2023年度(令和5年)の全国平均合格率は43.7%でした。過去4年間の全国平均合格率は以下の通りです
実施年度 | 令和5年(2023年) | 令和4年(2022年) | 令和3年(2021年) | 令和2年(2020年) |
全国合格率 | 43.7% | 44.4% | 49.3% | 41.5% |
試験の難易度と合格基準
登録販売者試験の合格基準
登録販売者試験の合格基準は以下の通りです。
- 全体の得点率:70%以上(120問中84問以上の正解)
- 各試験科目の最低正答率(足切りライン)3.5~4割以上
- 合格倍率の設定なし(絶対評価方式)
一見すると「36問も間違えてよい」と簡単に感じるかもしれません。しかし、各試験項目での最低正答率(足切りライン)が設定されているため、バランスの良い学習が求められます。
登録販売者試験の特徴
登録販売者試験は医薬品をあつかう資格であるため、文系の人は合格が難しいと思うかもしれません。しかし、登録販売者試験は理系・文系関係なくチャレンジしやすい試験だといえます。以下に登録販売者試験の特徴をまとめました。
- 計算問題など自己導出型の問題は出題されない
- マークシート方式の選択問題のみ
- 各試験科目でバランスの取れた学習が必要
登録販売者試験は計算問題など、解答を導き出すような問題は出題されません。また解答も4~5択のマークシート方式であるため、ある程度答えを絞り込んでカンで答えることもできます。そのような特徴から、試験勉強は暗記が中心となるため理系・文系関係なく幅広い方がチャレンジできる資格試験となります。
それよりも、各試験科目で足切りラインが設定されているため、苦手な科目を作らないよう意識した学習が必要となります。
地域別の合格率・難易度は都道府県ごとに異なる
登録販売者試験は、各都道府県が地域でまとまった『ブロック』に分けられ、そのブロックごとに同一の試験問題で実施されます。
どのブロックの試験問題も厚生労働省発表の「試験問題作成に関する手引」(通称:手引)から出題されますが、ブロックごとに試験問題がちがうため、問題の難易度に差がでてきてしまいます。
また、同じ試験問題を使用しているブロック内でも、各都道府県で合格率の差は出てきます。
2023年度の地域別合格率
地域による合格率の違いについて、2023年度の合格率の高かった地域と低かった地域を以下にまとめました。
合格率の高かった地域
- 福岡県:53.4%
- 静岡県:52.7%
- 北海道:51.2%
合格率の低かった地域
- 高知県:21.4%
- 香川県:24.9%
- 愛媛県:25.3%
地域による合格率の差異
同じ試験問題の同一ブロックでも地域によって合格率は違ってきます。例えば2023年の北海道・東北ブロックでは、同じ試験問題でも北海道の51.2.%と山形県の39.7%で合格率で11.5%の差があります。
試験問題の難易度が明らかに高かったブロックというのもあります。例えば合格率の低かった高知県・香川県・愛媛県はいずれも中国・四国ブロックで同一試験問題となります。
合格しやすい地域はあるの?
登録販売者試験は基本的に、全国どの都道府県でも受験することができます。そのためなるべく試験問題が簡単な地域で受験したいと考える方もいるでしょう。しかし、登録販売者試験の合格率・難易度は毎年変動しています。
例えば山口県は2023年の合格率は29.7%と低かったのですが、2021年では68.8%と非常に高い合格率でした。ですから試験問題が簡単な場所を予測して受験すると言うのは現実的ではありません。
受験地域の選択について
試験問題がかんたんな県で受験したいです
試験問題が簡単な場所を予測して受験すると言うのは現実的ではありません。
まずは基本に忠実に、自分の地元の県で合格できるようにシッカリと勉強することをおすすめします。
ただし、スケジュールや予算に余裕がある方は、地元の受験+近隣の他のブロックを併願受験して合格率を上げるという方法もあります。
併願受験についてはこちらの記事を参考にしてください。
合格率と過去問を一緒に考える事が重要!
この記事で合格率をまとめている意味は?
この記事では合格率だけではなく過去問リンクと一緒に掲載しています。
登録販売者試験の合格への近道は過去問をできる限り多く解く事です。
過去問を解く順番:自分の受験場所から
基本的に過去問を解く順番としては、基本は自分の受験場所の過去問を最低でも過去2年分解きます。
その後、直近2年連続で手引の改正があった、令和4年・令和5年の全国の問題を解いていくことをオススメします。
もし、同じ年度で試験実施が早いブロックの問題を手に入れられた場合はそちらを優先してください。
もし自分の受験する県の過去問が「難しすぎる」と感じるのであれば、次の順番で解いていく方法もあります。
過去問を解く順番:難易度に合わせて
過去問を解き始める場合、いきなり『合格率が低い=試験問題の難易度が高い』過去問を解いてしまうと、正答率が悪すぎて勉強のモチベーションが下がってしまうかもしれません。
自信が無いうちは『合格率が高い=試験問題の難易度が低い』過去問から解き始めて、自信がついてから『合格率が低い=試験問題の難易度が高い』過去問を解くことをおすすめします。
2023年の過去問の難易度別おすすめブロック
どの場所の試験問題がオススメですか
ザックリ令和5年の過去問のオススメの過去問を解説します。
初めて過去問を解くなら:関東・甲信越ブロック
令和5年の関東・甲信越ブロックの試験は、意地悪な問題も少なく、基本知識がしっかり入っているかチェックするのにちょうど良い難易度となっています。
どうしても漢方が苦手なんですが…
最近はどのブロックの試験でも、漢方・生薬の問題は必ず出題されます。
「漢方・生薬ができないから」と勉強をあきらめてしまう方もいますが、1~5章を偏りなく勉強できていれば、たとえ漢方・生薬が苦手でも十分合格できます。
このブロックで出題された漢方・生薬の問題は解けるようにしておきましょう。
安定のやさしさ:九州・沖縄ブロックは初心者にオススメ
九州・沖縄ブロックも、素直で優しい問題が多い印象です。
関東・甲信越ブロックの過去問である程度点が取れるようになったら、九州・沖縄ブロックの問題を解いてみましょう。
自分の受験する県の過去問や、他の地域の過去問が難しすぎると感じる方は、まず関東・甲信越ブロック、九州・沖縄ブロックの過去問を解くことをオススメします。
正統派だけど難しい:首都圏ブロックは腕試しにちょうどいい
過去問をある程度解いて、実力を試したいなら首都圏ブロックの問題がおすすめです。
正統派の高難易度の問題が多く、しっかりとした知識と理解力の深さが試されます。
首都圏ブロックの問題で、安定して100点前後取れるようになったら、合格にかなり近づいたといえるでしょう。
自信がついてきたら:関西広域連合・福井ブロックは解けそうで解けない!
関西広域連合・福井ブロックの問題は実務に沿った内容の良問題が多く出題されます。
特に令和5年の問題は、深く広い知識がないと正答できないようになっています。
正統派の首都圏ブロックとはちがい、解けそうで解けない、なかなかイヤラシイ問題が多いので、勉強に自信がある受験者はぜひチャレンにしてみてください。
初心者は手を出すな!中国・四国ブロックは高難易度問題
中国・四国ブロックは2022年の試験から急に難しい問題が多く出題されるようになりました。
特に2023年の試験では、手引の欄外の記述から出題されたり、消去法で解きにくい問題も多数出題されたりと、かなりキビシイ内容でした。
試験問題の難易度の高さが、2023年の中国・四国ブロックの合格率に現れていると思います。
都道府県 | 鳥取県 | 島根県 | 岡山県 | 広島県 | 山口県 | 香川県 | 愛媛県 | 高知県 |
合格率 | 26.3% | 28.3% | 28.1% | 30.7% | 29.7% | 24.9% | 25.3% | 21.4% |
自分の地元の受験場所が中国・四国ブロックだったとしても、はじめに解く過去問としてはおすすめしません。
まずは、関東・甲信越ブロックや、九州・沖縄ブロックの過去問で実力をつけて、首都圏ブロックや関西広域連合でもある程度点を取れるようになってからチャレンジすると良いでしょう。
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2023年度【令和5年】都道府県別合格率と過去問リンク
ブロック分けは年度によって異なります、以下資料では2023年(令和5年度)のブロックでまとめて掲載しています。
北海道・東北ブロック
都道府県 | 過去問リンク | 合格率 | 他リンク | ||||
2024年 | 2023年 | 2022年 | 2021年 | 2020年 | |||
北海道 | 平成28年~令和5年 | 62.3% | 51.2% | 52.0% | 42.4% | 35.4% | ー |
青森県 | 平成20年~令和5年 | 54.9% | 43.3% | 48.8% | 39.3% | 43.1% | ー |
岩手県 | 令和5年 | 51.4% | 44.3% | 41.6% | 41.3% | 50.0% | 平成30年~令和4年 |
宮城県 | 平成20年~令和5 年 | 55.0% | 44.7% | 49.4% | 43.4% | 44.2% | ー |
秋田県 | 令和5年 | 50.0% | 39.7% | 40.7% | 32.6% | 39.1% | ー |
山形県 | 令和5年 | 52.5% | 41.9% | 43.3% | 38.4% | 44.4% | ー |
福島県 | 令和5年 | 47.5% | 40.1% | 42.0% | 35.4% | 34.1% | R2・R3・R4 |
※令和2年度に限り、北海道は九州・沖縄ブロックと同一日程・問題で試験が実施されました。
関東・甲信越ブロック
都道府県 | 過去問リンク | 合格率 | 他リンク | ||||
2024年 | 2023年 | 2022年 | 2021年 | 2020年 | |||
茨城県 | 平成20年~令和5年 | 46.5% | 53.7% | 48.3% | 47.8% | 44.0% | ー |
栃木県 | 平成30年~令和5年 | 42.8% | 48.0% | 43.4% | 42.8% | 43.1% | ー |
群馬県 | 令和2年~令和5年 | 51.2% | 55.2% | 57.1% | 50.9% | 46.6% | ー |
山梨県 | 令和2年~令和5年 | 41.0% | 45.0% | 56.1% | 44.5% | 32.1% | ー |
長野県 | 平成23年~令和5年 | 42.0% | 50.7% | 50.0% | 46.1% | 31.8% | ー |
新潟県 | 令和5年 | 43.4% | 50.8% | 50.4% | 46.2% | 37.6% | R2・R3・R4 |
※令和2年度に限り、北関東(茨城・栃木・群馬)と甲信越(山梨・長野・新潟)で問題が異なります。
首都圏ブロック
都道府県 | 過去問リンク | 合格率 | 他リンク | |||
2023年 | 2022年 | 2021年 | 2020年 | |||
東京都 | 令和5年 | 44.0% | 41.5% | 43.2% | 33.0% | R2・R3・R4 |
神奈川県 | 平成30年~令和5年 | 47.5% | 44.6% | 48.8% | 38.7% | ー |
千葉県 | 令和5年 | 43.2% | 39.8% | 41.4% | 34.4% | R2・R3・R4 |
埼玉県 | 令和5年 | 45.3% | 40.1% | 40.8% | 30.1% | R2・R3・R4 |
北陸・東海ブロック
都道府県 | 過去問リンク | 合格率 | 他リンク | |||
2023年 | 2022年 | 2021年 | 2020年 | |||
富山県 | 令和5年 | 41.6% | 40.8% | 53.3% | 43.5% | 平成30年~令和4年 |
石川県 | 平成30年~令和5年 | 43.5% | 40.5% | 51.9% | 43.1% | ー |
愛知県 | 令和3年~令和5年 | 47.5% | 43.5% | 59.1% | 56.0% | ー |
岐阜県 | 令和3年~令和5年 | 45.1% | 40.5% | 53.0% | 46.2% | ー |
三重県 | 令和元年~令和5年 | 43.2% | 44.8% | 52.2% | 53.1% | ー |
静岡県 | 平成20年~令和5年 | 52.7% | 46.1% | 57.0% | 50.4% | ー |
※令和3年度に限り、三重県は九州・沖縄ブロックと同一日程・問題で試験が実施されました。
関西広域・福井県ブロック
都道府県 | 過去問リンク | 合格率 | 他リンク | |||
2023年 | 2022年 | 2021年 | 2020年 | |||
大阪府 | 令和元年~令和5年 | 34.4% | 35.1% | 56.3% | 39.7% | ー |
京都府 | ||||||
兵庫県 | ||||||
滋賀県 | ||||||
和歌山県 | ||||||
徳島県 | ||||||
福井県 | 33.8% | 30.6% | 48.8% | 34.8% |
奈良県ブロック
都道府県 | 過去問リンク | 合格率 | 他リンク | |||
2023年 | 2022年 | 2021年 | 2020年 | |||
奈良県 | 平成27年~令和5年 | 54.2% | 47.8% | 48.9% | 35.5% | ー |
中国・四国ブロック
都道府県 | 過去問リンク | 合格率 | 他リンク | |||
2023年 | 2022年 | 2021年 | 2020年 | |||
鳥取県 | 令和3年~令和5年 | 26.3% | 37.3% | 60.4% | 38.5% | ー |
島根県 | 令和3年~令和5年 | 28.3% | 33.8% | 57.4% | 50.0% | ー |
岡山県 | 令和元年~令和5年 | 28.1% | 39.3% | 64.9% | 49.4% | ー |
広島県 | 令和3年~令和5年 | 30.7% | 42.7% | 66.7% | 58.1% | リンク先で『登録販売者試験』と検索 |
山口県 | 令和元年~令和5年 | 29.7% | 43.9% | 68.8% | 54.0% | ー |
香川県 | 令和5年 | 24.9% | 43.7% | 63.6% | 50.6% | R2・R3・R4 |
愛媛県 | 平成元年~令和5年 | 25.3% | 38.7% | 64.6% | 48.2% | ー |
高知県 | 平成20年~令和5年 | 21.4% | 29.8% | 52.4% | 39.7% | ー |
九州・沖縄ブロック
都道府県 | 過去問リンク | 合格率 | 他リンク | |||
2023年 | 2022年 | 2021年 | 2020年 | |||
福岡県 | 令和5年 | 53.4% | 58.3% | 48.6% | 43.5% | R2・R3・R4 |
佐賀県 | 平成28年~令和5年 | 45.9% | 59.3% | 39.4% | 39.7% | ー |
長崎県 | 平成20年~令和5年 | 47.0% | 55.2% | 44.0% | 41.8% | ー |
大分県 | 令和5年 | 54.9% | 58.1% | 43.4% | 46.8% | R2・R3・R4 |
熊本県 | 令和5年 | 48.8% | 54.2% | 43.9% | 35.3% | H30~R4 |
宮崎県 | 令和5年 | 46.0% | 53.3% | 43.4% | 44.2% | R4 |
鹿児島県 | 令和5年 | 45.1% | 50.7% | 35.1% | 36.5% | R2・R3・R4 |
沖縄県 | 令和5年 | 39.5% | 44.6% | 37.0% | 35.9% | R2・R3・R4 |
まとめ
2023年までの登録販売者試験の各都道府県ごとの合格率をまとめました。
地域によって合格率の差のあることがわかりますが、今年度が合格率が低くても以前は合格率が高かった(その逆も)あるので、冷静に学習計画を立てましょう。
試験を受けるに当たっては、自分の地元の県での合格を目指すことが基本です。スケジュールや予算に余裕があるなら、地元の受験に加えて近隣の他のブロックも受験することを検討してみましょう。
試験に合格するためには、過去問をできるだけ解くことが非常に重要です。自分の受験場所の過去問からスタートして最低でも2年分解き、その後は他の地域の過去問もできるだけ解きましょう。
難易度に合わせて過去問を解くこともポイントです。最初は合格率の高い過去問から取り組み、自信がついてきたら合格率の低い、難しい問題にも取り組んでみましょう。
過去問を解く具体的なおすすめとしては、関東・甲信越ブロックや九州・沖縄ブロックは、初心者向けで優しい問題が多く解きやすいでしょう。
一方、首都圏ブロックや関西広域連合・福井ブロックは、実務に沿った難しい問題が多いため、自信がついてから挑戦するのが良いと思います。
最後に、2023年度の都道府県別合格率と過去問リンクを参考にして、自分だけの受験計画を立てましょう。
焦らず、着実に知識を積み上げていけば、合格への一歩を確実に踏み出せるはずです。頑張って!